パナマ経済(2015年11月分月報)

平成27年12月3日
在パナマ日本国大使館
担当:大森書記官
TEL:507-263-6155
FAX:507-263-6019

主な出来事
● 27日、WTO紛争処理委員会(パネル)は、パナマからコロンビアに向けて再輸出される繊維及び靴に対し、コロンビアが課している輸入関税は不当であり、WTO協定違反であると判断する報告書を発表した。
 
1 経済一般
(1)OECDの透明性と情報交換に関するグローバルフォーラムにおける評価
2日、外務省は10月末にバルバドスにて開催されていたOECDの「透明性と情報交換に関するグローバルフォーラム」において、パナマは第2フェーズ(執行面審査)に移行することが決定した旨発表した。同移行を受け、インカピエ外務次官は、「本決定はパナマが実施した法的枠組みにおける重要な進捗を証明するものであり、我々は短期間で金融の透明性についての国際スタンダードを受け入れたことを証明した」旨発言した。
 
(2)コクレ県におけるウィンドファームの稼働開始式典
10日、クリントン元米大統領臨席の下、コクレ県のウィンドファームが正式に稼働を開始した。同ウィンドファームは、第4フェーズ完了時には、国内消費電力の約6~7%を供給出来る見込み。
 
(3)1~10月期の新車販売台数
パナマ自動車販売者協会によると、本年1月から10月における新車販売台数は、前年比8.1%増の5万5,026台であった。最も販売台数の多いトヨタ(1万1,535台)、ヒュンダイ(9,976台)及びキア(9,181台)を併せると、全体の56%となる。また世銀の発表によると、パナマの自動車保有率は1,000人当たり198台であり、ラテンアメリカにおいて、アルゼンチン(同315台)、メキシコ(同278台)、ウルグアイ(同217台)、ブラジル(同210台)に次いで第5番目の保有率の高さである。
 
(4)「パナマ・インベスト」の開催
19日、パナマへの投資呼びかけイベントである、「パナマ・インベスト」(主催:貿易産業省及びPROINVEX)がポルトガルのリスボンにて開催された。アローチャ貿易産業大臣によると、同イベントでは、近年のパナマの好調な経済成長と今後の展望に加え、国内の投資機会等につき説明がなされた。パナマは、ポルトガルからのビジネスミッションの受け入れを行うなど、両国間の経済関係強化に努めている。
 
(5)ベネズエラによるコパ航空への未払い問題
コパ航空は、ベネズエラによる未払い問題の解決に向けた話し合いが難航しており、2015年第3四半期時点において、4億2,740万ドル近くが未払いとなっている旨、公表した。
 
(6)パナマ・パリ直行便の増便
エアフランス社は、現在週4便就航しているパリ・パナマ直行便を、観光客の増加が見込まれるため、11月27日から翌年3月26日まで、週5便に増便すると発表。同社によると、同便利用客者の50%がパナマを最終目的地にした観光客である。
 
(7)ルフトハンザ社によるパナマ・フランクフルト直行便の就航
ルフトハンザ社は、就航が延期になっていた、パナマ・フランクフルト間の直行便に関し、来年3月2日より就航すると発表した。同便はコパ航空とのコードシェア便になる予定。
 
2 通商、自由貿易協定、国際経済関連
(1)第4回パナマ・イスラエルFTA交渉
貿易産業省は、16~19日の会期にて開催された第4回パナマ・イスラエルFTA交渉が成功裡に終了した旨発表した。同FTAは近々署名され、2016年中には発効される見通し。
 
(2)コロンビアとの租税情報交換協定締結に向けた第7回協議開催予定
外務省は、コロンビアとの二重課税防止のための租税情報交換協定締結にむけた第7回協議を、23日の週に開催する旨発表した。
 
(3)パナマ・コロンビアWTO紛争処理委員会(パネル)報告書の発表
27日、WTO紛争処理委員会(パネル)は、パナマからコロンビアに向けて再輸出される繊維及び靴に対し、コロンビアが課している輸入関税は不当であり、WTO協定違反であると判断する報告書を発表した。
 
3 パナマ運河及びインフラ関連
(1)コロサル港(コンテナターミナル)建設計画
25日、パナマ運河庁(ACP)は、コロサル港建設(20年間の運営権を含む)について、同港建設に関心を示している企業に対し、入札参加業者選定のため事前評価を実施する旨発表した。25日現在、同港建設に13社が関心を示している。
 
(2)パナマ運河拡張工事
26日、パナマ運河庁(ACP)は、第三閘門建設工事における漏水の補修作業は2016年1月に完了する見通しであると発表した。10月末時点のパナマ運河拡張工事の全体進捗率は95%。第三閘門建設工事の進捗率は94%。
 
4 経済指標、経済見通し等
(1)パナマの失業率(8月時点)
会計検査院は、8月時点における失業率が前年同期比で、0.3%増の5.1%であり、ここ4年間で最悪の数値を記録した旨発表。
 
(2)消費者物価指数(9月期)
会計検査院は、9月期の消費者物価指数(IPC)が、前月比0.5%減であったと発表。
 
(3)9月時の財政赤字額
経済財務省は、9月末時の財政赤字額が9億300万ドルであり、対GDP比で1.8%であったと発表。同期間における非金融公共部門(SPNF)の収入は前年同期比5億1,800万ドル増の74億3,000万ドルであった一方、支出は同7億1,800万ドル減の83億3,300万ドルであった。同省は支出抑制の要因とし、公共事業投資額の減少を挙げている。
 
(4)8月期の基礎食料品バスケット
経済財務省は、8月のパナマ及びサン・ミゲリート地区における基礎食料品バスケットが、前月比0.56ドル(0.18%)増の302.72ドルであったと発表。
 
(5)10月末時点における公的債務残高額
経済財務省は、10月末時点における公的債務残高額が200億2,680万ドルであると発表した。バレーラ大統領就任時より、13.8%増(23億5,860万ドル増)である。
 
(6)経済指標は別添資料をご参照ください。