松永大使からのご挨拶

令和6年11月14日
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大使館ウェブサイトをご覧の皆様、
 
 2024年10月28日付をもって駐パナマ日本大使として着任した松永一義と申します。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 
 これまで、アメリカ、タイ、タンザニア、オーストラリア、ナイジェリアで勤務してまいりました。今回が初めての中南米赴任となりますが、個人的に深い縁を感じております。私の家内の名前は「洋子」といい、「海の子供」という意味です。太平洋と大西洋の両方に面し、海を通じて日本とつながるパナマへの赴任が決まったとき、これは運命的なものを感じずにはいられませんでした。
 
 パナマは、南北アメリカ、そして太平洋と大西洋を結ぶ「世界の交差点」として、パナマ運河を通じて世界の経済を支える重要な役割を果たしています。日本はパナマ運河の主要な利用国であり、全通航量の14.5%を占めるほか、パナマ籍商船の最大の利用国でもあります。そのため、パナマ運河の安全かつ安定的な運営は日本にとっても不可欠です。また、日本にとってパナマは、自由、民主主義、法の支配、人権などの基本的価値を共有する、かけがえのない国際パートナーです。
 
 私のバックグラウンドは情報工学であり、これまで情報通信システムの開発・運用やサイバーセキュリティに携わってまいりました。技術立国である日本の技術が、パナマの更なる発展や社会的課題の解決に具体的に貢献できるよう尽力したいと考えています。特に注目しているのは、日本政府が支援している中南米で最大の円借款事業であるメトロ3号線整備事業です。日本のモノレール技術は高い安全性と信頼性を誇り、複雑な地形への適応力や環境への配慮にも優れています。この技術が、パナマシティの都市交通インフラのさらなる充実に貢献することを確信しております。
 
 また、私は趣味として写真撮影を楽しんでおります。着任早々、独立記念日のパレードを見にCinta Costeraを散策し、その風景をカメラに収めました。豊かな自然と高層ビル群が調和する近代都市としてのパナマ、またパナマ・ビエホやカスコ・ビエホといった歴史的遺産が近代的な都市と共存する姿に、文化と歴史が共存するパナマの強みを感じました。
 
 現在、40以上の日本企業がパナマでビジネス活動を行っています。11月には、新たに日本企業がSEMとして登録されたことにより、パナマは中南米の地域拠点としてますます重要な存在となっています。
 
 技術やデジタルの重要性は言うまでもありませんが、私はアナログ的な人との対話も同様に重視しています。皆様との直接的な対話を通じて信頼関係を築くことが、外交の基盤であると信じています。多くの方々と出会い、それを写真に記録し、日本とパナマの絆の足跡として残していきたいと思います。
 
 これから皆様と共に、日本とパナマの経済関係の強化、文化交流の促進、そして両国民の相互理解を深めるために全力を尽くしてまいります。引き続き皆様方のご指導ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
 
駐パナマ日本国特命全権大使
松永 一義