パナマ経済(2017年1月報)
平成29年2月14日
在パナマ日本国大使館
担当:大森書記官
TEL:507-263-6155
FAX:507-263-6019
主な出来事担当:大森書記官
TEL:507-263-6155
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● バレーラ大統領は、オデブレヒト社による汚職疑惑を受け、同社が事前資格審査を有する第四運河橋建設事業、ならびに事前資格審査が予定されているメトロ3号線建設事業への参加を認めない予定である旨発言。また、同社がコンセッションを有するチャン2水力発電所事業に関しても、右コンセッションの取り消しを伝える書簡を発出。
1 経済一般
(1)小売価格上限を据え置く措置の延長
6日、バレーラ大統領及びアロセメナ貿易産業大臣は、基礎食料品22品目の小売上限価格を据え置く措置の5回目の延長を承認する法律に署名し、同日、官報にて公布した。同措置の適用期間は6ヶ月間(2017年7月7日まで)。
(2)コロンフリーゾーンの新戦略
ピアポイント・コロンフリーゾーン庁長官は、これまで最大の再輸出相手国であったブラジル、コロンビア及びベネズエラに加え、今後、ペルー及びチリとの取引に力を入れていく旨発表。両国の安定した経済は魅力的であるとし、2月に貿易産業省幹部と共に両国を訪問し、コロンフリーゾーンの魅力についてのセミナーを開催する予定。また今後の有望な市場として、食品及び服の需要が高まると予想されるキューバを挙げた。
(3)証券取引監督庁及び銀行監督庁の協力体制強化
証券取引監督庁は、不審な資金の動きがあった際、顧客の口座情報を確認することが出来る調査協力に関する覚え書きを銀行監督庁と締結した。右は証券監督者国際機構(IOSCO)よりその必要性が指摘されていた。
(4)世界銀行によるパナマ経済の評価
世界銀行は「世界経済見通しレポート」にて、2017年のパナマの経済成長率は5.4%、中米全体の平均値は2.1%、南米全体では1.8%になる見通しであると発表。また、パナマは世界で10番目に富の分配が不平等である国であり、年々その差は拡大している旨指摘した。
(5)フィッチレーティング社によるオデブレヒト社の格付け
大手格付け機関であるフィッチレーティング社は、オデブレヒト社(伯)の格付けを、よりリスクの高いCCに格下げした。格下げの理由として、(1)組織改正が必要とされること、(2)現在多くの事業を抱えている一方で、新規事業の受注見込みが減少すること、また今後、(3)罰金の支払いや新規事業への入札参加不可により、資金フローが苦しくなり、同社の経営を益々逼迫する見込みであることを挙げた。
(6)オデブレヒト社による公共事業への参加
(ア)22日、バレーラ大統領は、オデブレヒト社による汚職疑惑を受け、同社が事前資格審査資格を有する第四運河橋建設事業、ならびに今後事前資格審査が予定されているメトロ3号線建設事業への参加をみとめない予定である旨発言。
(イ)24日、デ・ラ・グアルディア経済財務大臣は、メトロ3号線建設事業の事前審査項目には、同社の参加を困難とする項目が含まれる可能性がある旨発言。また、同社がコンセッションを有するChan2水力発電所事業に関し、コンセッション取り消しの手続きを進めている旨明かした。他方、事業が進んでいる公共事業に関しては、オデブレヒト社の関与が確認されても、国内経済への影響も考慮し、継続する旨明かした。
(ウ)24日、銀行監督庁は、過去10年間に渡りオデブレヒト社と関与していたとみられる銀行2行の調査を開始した。
(エ)27日、デ・ラ・グアルディア経済財務大臣は、Chan2水力発電所事業のコンセッションの取り消しを伝える書簡を発出。可及的速やかに政府にコンセッションを引き渡す旨命じた上で、オデブレヒト社からの回答期限を1週間とした。
6日、バレーラ大統領及びアロセメナ貿易産業大臣は、基礎食料品22品目の小売上限価格を据え置く措置の5回目の延長を承認する法律に署名し、同日、官報にて公布した。同措置の適用期間は6ヶ月間(2017年7月7日まで)。
(2)コロンフリーゾーンの新戦略
ピアポイント・コロンフリーゾーン庁長官は、これまで最大の再輸出相手国であったブラジル、コロンビア及びベネズエラに加え、今後、ペルー及びチリとの取引に力を入れていく旨発表。両国の安定した経済は魅力的であるとし、2月に貿易産業省幹部と共に両国を訪問し、コロンフリーゾーンの魅力についてのセミナーを開催する予定。また今後の有望な市場として、食品及び服の需要が高まると予想されるキューバを挙げた。
(3)証券取引監督庁及び銀行監督庁の協力体制強化
証券取引監督庁は、不審な資金の動きがあった際、顧客の口座情報を確認することが出来る調査協力に関する覚え書きを銀行監督庁と締結した。右は証券監督者国際機構(IOSCO)よりその必要性が指摘されていた。
(4)世界銀行によるパナマ経済の評価
世界銀行は「世界経済見通しレポート」にて、2017年のパナマの経済成長率は5.4%、中米全体の平均値は2.1%、南米全体では1.8%になる見通しであると発表。また、パナマは世界で10番目に富の分配が不平等である国であり、年々その差は拡大している旨指摘した。
(5)フィッチレーティング社によるオデブレヒト社の格付け
大手格付け機関であるフィッチレーティング社は、オデブレヒト社(伯)の格付けを、よりリスクの高いCCに格下げした。格下げの理由として、(1)組織改正が必要とされること、(2)現在多くの事業を抱えている一方で、新規事業の受注見込みが減少すること、また今後、(3)罰金の支払いや新規事業への入札参加不可により、資金フローが苦しくなり、同社の経営を益々逼迫する見込みであることを挙げた。
(6)オデブレヒト社による公共事業への参加
(ア)22日、バレーラ大統領は、オデブレヒト社による汚職疑惑を受け、同社が事前資格審査資格を有する第四運河橋建設事業、ならびに今後事前資格審査が予定されているメトロ3号線建設事業への参加をみとめない予定である旨発言。
(イ)24日、デ・ラ・グアルディア経済財務大臣は、メトロ3号線建設事業の事前審査項目には、同社の参加を困難とする項目が含まれる可能性がある旨発言。また、同社がコンセッションを有するChan2水力発電所事業に関し、コンセッション取り消しの手続きを進めている旨明かした。他方、事業が進んでいる公共事業に関しては、オデブレヒト社の関与が確認されても、国内経済への影響も考慮し、継続する旨明かした。
(ウ)24日、銀行監督庁は、過去10年間に渡りオデブレヒト社と関与していたとみられる銀行2行の調査を開始した。
(エ)27日、デ・ラ・グアルディア経済財務大臣は、Chan2水力発電所事業のコンセッションの取り消しを伝える書簡を発出。可及的速やかに政府にコンセッションを引き渡す旨命じた上で、オデブレヒト社からの回答期限を1週間とした。
2 通商、自由貿易協定、国際経済関連
(1)仏におけるグレイリスト記載を巡る一連の流れ
3日、サパン仏財務相は、パナマを含む同国のグレイリストに記載された国に対し、所要措置の実行を1日より開始した旨発表。右により、仏パナマ間における送金に厳しい課税がなされることとなる。右を受け、17日、アロセメナ在仏パナマ大使はフランス財務当局と会談し、同リストからパナマが削除されるために必要なプロセスのロードマップを作成すること、また2月に、仏の専門家チームが、自動租税情報交換協定に関する協議を目的に、パナマを訪れることに合意した。
(2)コロンビアからの船舶購入の先送り
12日、アロセメナ貿易産業大臣は、昨年10月のサントス・コロンビア大統領のパナマ訪問時に、両国にて合意がなされた太平洋及び大西洋沿岸の治安改善を目的とした警備船舶のコロンビアからの購入を見送った旨発表。右は、パナマからの再輸出品に対する複合関税をコロンビア側が撤廃しないことに対する報復措置の一つであり、コロンビア側には約2,500万ドル~3,000万ドルの損害が出たものと見られる。
3日、サパン仏財務相は、パナマを含む同国のグレイリストに記載された国に対し、所要措置の実行を1日より開始した旨発表。右により、仏パナマ間における送金に厳しい課税がなされることとなる。右を受け、17日、アロセメナ在仏パナマ大使はフランス財務当局と会談し、同リストからパナマが削除されるために必要なプロセスのロードマップを作成すること、また2月に、仏の専門家チームが、自動租税情報交換協定に関する協議を目的に、パナマを訪れることに合意した。
(2)コロンビアからの船舶購入の先送り
12日、アロセメナ貿易産業大臣は、昨年10月のサントス・コロンビア大統領のパナマ訪問時に、両国にて合意がなされた太平洋及び大西洋沿岸の治安改善を目的とした警備船舶のコロンビアからの購入を見送った旨発表。右は、パナマからの再輸出品に対する複合関税をコロンビア側が撤廃しないことに対する報復措置の一つであり、コロンビア側には約2,500万ドル~3,000万ドルの損害が出たものと見られる。
3 パナマ運河及びインフラ関連
パナマ運河庁(ACP)は、第三閘門建設工事における土木、電気及びコントロールシステムに係る仕上げ工事は2月末に完了する見通しである旨発表。なお、2016年12月31日時点におけるココリ閘門の建設工事進捗率は92%、アグア・クララ閘門は94%。
4 経済指標、経済見通し等
(1)1~11月期のコンテナ取り扱い量
海事庁(AMP)は、国内港湾における11月までのコンテナ取り扱い量が、前年同期比10.4%減の、568万9,000TEUであったと発表。11月は、ハリケーン・マシューの被害により、港湾の機能が低下した一部カリブ諸国の影響を受け、コロン側の港湾の単月での貨物取り扱い量は増えたものの、依然として国際的な経済の鈍化の影響により国内のコンテナ取り扱い量は低迷している。
(2)10月期の基礎食料品バスケット
経済財務省(MEF)は、10月期の基礎食料品バスケットが、パナマ市及びサンミゲリート市で、前月比0.57ドル減の308.74ドルであったと発表。なお同値は昨年同月比5.49ドル増である。
(3)12月期の消費者物価指数
会計検査院は12月の消費者物価指数(IPC)が1.5%であったと発表。全体的に好調であったが、特に、ホテル・外食業(5.9%)、医療サービス(3.2%)及び教育(2.7%)が顕著な伸びを見せた。
(4)2016年度の公的債務残高
18日、経済財務省(MEF)は、2016年度の公的債務残高額が、前年比13億8,000万ドル増の216億100万ドルであったと発表。MEFは、重要なのは額ではなく対GDP比であり、2016年の同値は40.1%になる見込みである旨発表。
(5)2016年の経常収入
経済財務省(MEF)は、2016年の経常収入が予想を3.3%下回る73億8,980万ドルであったと発表。税収は昨年より4億500万ドル増加し、全体では前年比5.8%増であった。
(6)経済指標は別添資料をご参照ください。
海事庁(AMP)は、国内港湾における11月までのコンテナ取り扱い量が、前年同期比10.4%減の、568万9,000TEUであったと発表。11月は、ハリケーン・マシューの被害により、港湾の機能が低下した一部カリブ諸国の影響を受け、コロン側の港湾の単月での貨物取り扱い量は増えたものの、依然として国際的な経済の鈍化の影響により国内のコンテナ取り扱い量は低迷している。
(2)10月期の基礎食料品バスケット
経済財務省(MEF)は、10月期の基礎食料品バスケットが、パナマ市及びサンミゲリート市で、前月比0.57ドル減の308.74ドルであったと発表。なお同値は昨年同月比5.49ドル増である。
(3)12月期の消費者物価指数
会計検査院は12月の消費者物価指数(IPC)が1.5%であったと発表。全体的に好調であったが、特に、ホテル・外食業(5.9%)、医療サービス(3.2%)及び教育(2.7%)が顕著な伸びを見せた。
(4)2016年度の公的債務残高
18日、経済財務省(MEF)は、2016年度の公的債務残高額が、前年比13億8,000万ドル増の216億100万ドルであったと発表。MEFは、重要なのは額ではなく対GDP比であり、2016年の同値は40.1%になる見込みである旨発表。
(5)2016年の経常収入
経済財務省(MEF)は、2016年の経常収入が予想を3.3%下回る73億8,980万ドルであったと発表。税収は昨年より4億500万ドル増加し、全体では前年比5.8%増であった。
(6)経済指標は別添資料をご参照ください。