パナマ経済(2016年2月分月報)
平成28年3月14日
在パナマ日本国大使館
担当:大森書記官
TEL:507-263-6155
FAX:507-263-6019
担当:大森書記官
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主な出来事
● 17日から19日にパリにて開催された金融活動作業部会(FATF)の全体会合には、パナマからデ・ラ・グアルディア経済財務大臣他が出席。右では、1月12~14日に実施されたパナマの査察結果が報告され、グレイリストから削除される旨発表。
1 経済一般
(1)ヨーロッパ投資銀行ラテンアメリカ拠点の開設
ヨーロッパ投資銀行(BEI)は、域内拠点をパナマに設立する旨発表。2016年上半期に活動を開始し、インフラ及びエネルギー産業等を初めとした分野に積極的に融資する予定。
(2)第4送電線建設計画
国営送電公社(ETESA)は、第4送電線建設の入札を2017年に実施予定である旨発表。全長約300キロメートルの送電線建設工事の予定価格は約4億8,000万ドル。
(3)2015年末の財政赤字
4日、経済財務省(MEF)は、2015年末の財政赤字が前年比1億300万ドル増の14億6,000万ドルであったと発表。なお、財政責任法に記載されている特別措置が適用され、確定数値は、対GDP(速報値)比2%となる10億3,400万ドル。経常収入は、前年比3.9%増の106億2,000万ドル、経常支出は、前年比2.5%増の120億8,000万ドル。
(4)2015年のトクメン空港の売り上げ高
トクメン空港公社は、2015年の収入が、前年比1,510万ドル増の1億8,120万ドルであったと発表。今後、コンセッションによるオペレーション、レンタル代の引き上げ及び出国税の引き上げなどにより、拡張工事に必要な資金を調達する旨発表。
(5)リタイヤメント先としての評価
International Living誌(米)が実施した引退後に移住したい国の調査で、パナマはアンケート対象となった23ヵ国の中で1位に選ばれた。
(6)コロンフリーゾーン改善に向けた動き
経済財務省(MEF)は、不調が続くコロンフリーゾーンにつき、長期的な視点をもって今後の戦略をたてるべく、McKenzie & Delloite社等の国際コンサルタント機関を招き、コンサルタント契約締結に向けたプレゼンテーションを受けた旨発表。
(7)FATFのグレイリストからの削除
デ・ラ・グアルディア経済財務大臣他は17日から19日にパリにて開催された金融活動作業部会(FATF)の全体会合に出席。右では、1月12~14日に実施されたパナマの査察結果が報告された後、パナマは法・規則上の枠組みを構築し、資金浄化・テロおよび大量破壊兵器への融資の対策を十分行っているとし、グレイリストから削除した旨18日に発表された。
(8)ミネラパナマ社による鉱山開発の進捗状況
ミネラパナマ社は、同社が進める銅鉱山開発の進捗状況を発表。域内最大規模となる同鉱山開発の進捗状況は35%、また投資予算額全60億ドルのうち約26億ドルが既に投資済。
(9)フィッチ社によるパナマの格付け据え置き
大手格付け機関のフィッチ社は、力強く、安定的なマクロ経済を理由に、パナマの格付けを引き続きBBB、また見通しも「安定的」にすると発表。
2 通商、自由貿易協定、国際経済関連
(1)ベネズエラによる未払い金問題解決に向けたパナマ側からの提案
デ・ラ・グアルディア経済財務(MEF)大臣はベネズエラの金融財務省に対し、未払い金問題解決のための対話を要請する書簡を発出。パナマ企業に対するベネズエラ企業の未払い金は、コパ社が抱える4億2,740万ドルを含め、推定約10億ドル。
(2)中米・韓国FTA交渉ラウンドの開催
第3回中米・韓国FTA交渉ラウンドが22日から5日間の会期でサンフランシスコにて開催。今般の交渉ラウンドでは、財、ファイナンス、投資、サービス、公共調達、労働等についてのテーマにつき議論なされた。
3 パナマ運河及びインフラ関連
(1)パナマ運河拡張工事
4日、パナマ運河庁(ACP)は、昨年8月に第三閘門で発生した漏水の補修工事が完了した旨発表し、ココリ閘門(太平洋側)及びアグア・クララ閘門(大西洋側)の注水を開始。また12日、閘門に施された補修工事が十分である旨発表。
(2)パナマ首都圏都市交通マスタープラン2040
ロイ・メトロ公社総裁は、1月末にマルテス・フィナンシエロ誌が主催したビジョン・フォーラム2016において、2040年における新しいマスタープラン(首都圏都市交通計画:8路線建設)を発表。
4 経済指標、経済見通し等
(1)2015年の訪問者数
会計検査院は、2015年の訪問者数が、前年比33万1,169人増の、261万1,245人であったと発表。主な国は訪問者数順に、米国(全体シェア13.5%)、コロンビア(同11.5%)、ベネズエラ(同10.5%)。
(2)2015年の公的債務残高対GDP比
経済財務省(MEF)は、2015年の公的債務残高額の対GDP比は39%になる旨発表。右はMEFが独自に算出した2015年のGDP額(202億2,200万ドル)に基づく。なお、前年に比較し公的債務残高額が上昇した理由とし、前政権時における負債の影響ならびに世界経済の鈍化を挙げた。またデ・ラ・グアルディアMEF大臣は、今後も引き続き支出を抑えつつ、公共投資につき優先順位を明確にした上で行っていく旨発言。
(3)2015年の港湾活動
海運庁(AMP)は、2015年の国内港湾におけるコンテナ取扱量が前年比1.8%増の689万3,886TEUであったと発表。コンテナ取扱量順に、バルボア港、マンサニージョ港(MIT)、パナマポートカンパニー(PPC)であり、いずれもコンテナ取扱量世界ランキング50にランクインした。
(4)今後のインフレ率の見通し
IMFは、向こう5年間のインフレ見通しを発表。2016年から2020年まで、0.4%、1.1%、1.8%、1.9%、1.7%と推移していき、平均は1.39%となる見込み。
(5)1月期の消費者物価指数
会計検査院は、1月期の消費者物価指数(IPC)が、前年同期比0.18ポイントマイナスの、0.14%であったと発表。減少の要因として、原油価格下落に伴う交通及びサービスのIPC減少を挙げた。
(6)コロンフリーゾーンの不調
コロンフリーゾーンユーザー協会は、1月の再輸出額が前年同月比34%減、輸入も同49%減であったと発表。また、2015年には125社が同地区から撤退し、1月は更に55社が撤退したと発表。
(7)2015年のトクメン空港の利用者数
トクメン空港公社は、トクメン空港における2015年の出入国者数が、前年比5.1%増の計1,343万4,673人であったと発表。
(8)1月期の公的債務残高
MEFは、1月期の公的債務残高を202億430万ドルであったと発表。前月比1,740万ドル減であるものの、前年同月比19億9,160万ドル増。
(9)経済指標は別添資料をご参照ください。
- 主要経済指標(2月次)(Excel)
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