福島大使からのご挨拶

令和4年1月7日

大使館ウェブサイトをご覧の皆様、
 このたび2021年11月17日付けをもって駐パナマ日本大使に任命された福島秀夫と申します。よろしくおねがい申し上げます。
 
 パナマといえば、何といってもパナマ運河が象徴的です。同運河は南北アメリカそして太平洋と大西洋を結ぶ「世界の交差点」です。日本は発着地別の運河通航貨物量でトップ3に入る主要利用国として海運・通商上、これまで多大な恩恵を受けてきました。私自身も前任地である米国で、メキシコ湾から米国産天然ガスLNGがパナマ運河経由で軒並み日本に輸出されるのを目の当たりにしました。今やパナマ運河は、低炭素戦略に舵を切った日本のエネルギー安全保障をも力強く支えています。
 
 しかし日本にとってのパナマの重要性や魅力は、この運河に尽きることはもちろんありません。なかんずく両国は、自由、民主主義、法の支配、人権などの基本的価値を共有するかけがえのない国際パートナーです。この2年間ほど世界を悩ませたコロナ禍を克服して我らが前進するにあたっては、経済・社会の持続可能性を高め、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を維持・強化していくことが重要です。この取り組みにあたり、パナマは共進共栄していける大事な仲間です。
 
 日本とパナマは前世紀から100年以上にわたる長年の友好国です。それはこれまでの多くの両国国民と関係者の熱意や信念、友情によって築かれました。そのことに深謝しつつ、大使として私はこの関係を多層的にさらに増進することに注力いたします。政治的な信頼関係の強化や経済ビジネス交流の推進はその中核です。日本はパナマの持続可能な発展や社会課題の解決にインフラ構築や産業振興などを通じて貢献しています。また日本文化や日本人に親しみをもってくださるパナマの親日層をさらに増やしていきたいです。交流と相互理解を通じて地球の反対側にある「遠くて近い友人」であるパナマの方々との距離を益々近くしたいと思っています。
 
 本2022年は、在パナマ日本大使館そして在日パナマ大使館が設立されてからちょうど60周年の節目の年にあたります。人間でいえば還暦であり、一巡りして原点回帰、初心に還れという意味もあります。そして2年後の2024年は、日本とパナマの外交関係が開始されてから120周年という大きな節目をむかえます。私としてはこの当面の3年間をいわば日本パナマ交流の重点期間ととらえ、微力ながら手を尽くして関係強化に邁進してまいります。皆様方のよりいっそうのご指導ご鞭撻をいただければまことに幸いです。
 
駐パナマ 日本国特命全権大使 福島 秀夫